エアコンを取り付けるには壁に配管穴が必要!
これから本格的に夏もはじまり、エアコンを新規に取り付ける方も多くなります。特に春ごろに引っ越してきて、「夏前にエアコンをつけよう」と考えている人も多いと思います。
そこで、今回はエアコン取り付けの際に重要となってくる「配管穴(通称:スリーブ)」について少しお話をします。スリーブ開け作業について、注意点をいくつかお伝えできればと思います。
ちなみに今回は穴開け作業が多い木造戸建て住宅のスリーブ開けについてお話しします。
配管穴開け作業手順
①筋交い・柱などの場所を確認する。
木造戸建では、壁の中に構造体として柱・筋交いが入っています。柱はほとんどの人が知っており、想像もしやすいと思いますが、筋交いについては知らない人も意外と多いです。
※筋交いとは
柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材である。「筋交」「筋違」とも表記され、ブレース (brace) とも呼ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%8B%E4%BA%A4%E3%81%84
エアコンの構造上、配管を通す穴(以下、スリーブ)位置と、筋交いの位置は重なることが多くあり、適当な位置にスリーブを開けてしまうと筋交いのど真ん中にあたる可能性もあります。そうなると、筋交いを切ってスリーブをあけるか、別の場所にスリーブを抜く必要がありますが、基本的にどちらもNGです。
(実際に失敗されている現場を結構みてきました。)
エアコン工事業者の方で筋交い(および他の障害物)の位置や存在を正確に確認するには、お客様が用意した建築中の壁内写真を見るか、小さい穴をあけて確認するしかありません。お客様が現場(エアコン設置場所)写真を持っていることは稀なので、ほとんどの業者は「知識・経験・勘を頼りに小さい穴をあけて」スリーブが開けられる場所を決めます。
②石膏ボードを抜く
穴位置が決まったら、一気に外壁まで貫通させたいところですが、まずは石膏ボードだけ抜き、本当に壁内に障害物がないか確かめます。
上写真のスリーブ右側に見えているのが柱です。
③外壁を抜く。
壁内の断熱材をよけ、なにも障害物がないことが確認出来たら外壁を抜きます。
④スリーブ(筒状プラスチック)を入れる。
無事にスリーブが貫通しました。そしたらベージュ色の筒状プラを入れます。これもスリーブと言われます(ややこしい)。
この筒状のスリーブを入れることで壁内結露を防ぐ効果があります。必ず必要というわけではありませんが、「これを入れない業者は手抜き業者」だという主張が広まり、エアコン工事の知識のないお客様でも意外と知っている方は多いようです。業者により 無料・有料・穴開け工賃に含まれる 場合がありますので確認を。
これで木造戸建てのスリーブ(配管穴)開け作業は完了です。
スリーブ開け作業の工賃相場
量販店でエアコンを購入して取り付ける場合や、一部ネット業者ではエアコン新設時の木造戸建て(外壁がモルタル、サイディング壁)穴開けは、「1ヵ所無料」です(取り付け工賃に含まれているのか、本当にサービスなのかわかりませんが・・・)。当然のことながら、有料業者もいます。その相場については、以下の通りです(個人調べ)。
- 木造モルタル・サイディング・・・1,000円~3,000円
- タイル・・・3,000円~5.000円
- コンクリート・・・15,000円~20,000円
- ガルバリウム・・・5,000円~8,000円
モルタル、サイディング壁以外のスリーブ開け作業はどの業者も有料で、さらに対応できる業者数も減ります。最近ではガリバリウムを使った住宅も増えてきているように感じますが、その場合は工務店でスリーブを開けてもらうのも一つの手です。
最後に
エアコンはその構造上、どうしても配管を通す穴が必要になります。そのスリーブ開け作業の多くはエアコン設置業者に任せられますが、壁内になにがあるか100%わからない以上、職人さんも無事に終わるまで緊張しています。何十年の経験を持つ職人でも「毎回怖い」と言います。しかし、その慎重さが良い仕事につながるのは確かです。
スリーブ開け作業はその位置、角度、大きさにより取り付けの出来が変わる大きな要因になる、重要な作業です。今回、その作業について少しでもお客様にわかっていただければ幸いです。
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