安さだけを理由に中古エアコンを買わないで。
近年は新品中古に問わずインターネットでエアコンを購入するお客様もかなり増えました。当社もそのようなエアコンの取り付け依頼をお引き受けしています。しかし、たまに問題が起きることがあります。
ネットで購入された中古エアコンの取り付けに伺うと、その中古エアコンが修理が必要な状態であることがあるのです。これはお客様にとっても我々業者にとっても双方にとって良いことではありません。
この記事では、中古エアコン購入時の注意点を解説しています。取り付け工事の際にトラブルにあわれたくない方はお読みください。
1.なぜ中古エアコンはトラブルの元になるのか
なぜ、中古エアコンはトラブルの原因になりやすいのか?結論から言うと、取り外した人が取り付けのことを知らないからです。
最近ではうぶの素人さんがご自宅のエアコンを自分で取り外し、そのままメルカリやヤフオクなどに出品されているケースが増えています。しかし、取り付け工事のことを知らない・やったことがない人がほとんどなので適切な取り外し作業が行えていないことが多いのが実情です。
ネットで調べればYouTubeにもエアコンの取り外し方法は公開されていますが、これを真似て 素人の方が取り外し工事に手を出していると思われます。私もお客様が自分でエアコンを取り外すことには反対はしておりません(推奨もしてません)。しかし、取り外したそのエアコンを他者に販売し購入者に迷惑がかかってはいけないと思っています。
2.実際にある状態が悪い中古エアコン例
2-1.ガスが入っていない
中古エアコンの取り付け工事で一番発生する問題はガスが入っていないことです。
(冷媒)ガスは取り外し工事の際に室外機に回収する作業を行います(ポンプダウンと言います)。ガスが入っていないのは、取り外しの際にポンプダウンを行わなかったか、取り外す前からガスがなかったことが原因です。
ガスがなくても取り付け時に規定種、規定量を封入すればエアコンは能力を回復します。しかしその費用は1万円〜2万円前後になるケースが多く、せっかく中古エアコンを安く買っても高い買い物となることもあります。
2-2.冷媒配管が損傷している
エアコン(室内機)には補助配管と呼ばれる30cmくらいの冷媒配管が溶接されています。この補助配管が折れていたり、潰れていたり損傷しているケースがあります。
業者であればその重要性から適当に扱うことはありませんが、取り付けのことを知らないで適当に扱うと簡単に損傷してしまう部分になります。
状態によりますが修理費用で数千円〜1万円程度かかることが多いです。
2-3.配管部分が養生されていない
エアコンを取り外したあと、配管接続部分からエアコンや冷媒配管内にゴミや塵が入らないように養生する必要があります。ゴミが入ってしまうと取り除くこともできない上に、取り付け後に早期故障につながります。
養生がされていない中古エアコンの購入・取り付けは一番慎重になった方がいいでしょう
3.買う前に注意したい3つのこと。
中古エアコン取り付け時には前述したようなことが発覚することがあります。しかしこれらは次の3つのポイントを事前に確認しておくことで回避・対処できる可能性がグンと高くなります。
- ①中古エアコン販売者に「取り外した人」を聞く
- メルカリやヤフオクでは販売者に質問できますね。必ず「誰が取り外したか」を確認しておきましょう。「エアコン工事業者」など業者であればOK。「自分(素人)でやりました」「知人にお願いしました」と回答の場合は要注意。
- ②明らかに安い中古エアコンは買わない
- 夏場のオンシーズンでも1万円程度で売られている中古エアコンはよっぽど古いか、ジャンク品の可能性があります。「ノークレームノーリターン」となっている場合もあるので購入には事前に状態を確認する必要があります。
- ③付属品を確認する
- エアコン(室内機)、室外機、リモコン、背板が必ず揃っていることを確認してください。特に「背板」が付属されていない中古エアコンがたまにあります。背板がなければエアコンを壁に取り付けることができません。