エアコンを取り外すにあたって
引越しなどで現在設置されているエアコンを取り外さなくてはならないという人も多いと思います。その際、ほとんどの方は知人の電気工事業者やネットで調べて専門業者に依頼するかと思います。大正解です。
一方で、「自分でできる、できそう」「1度やったことがあるから大丈夫」など、ご自分でのエアコン取り外し作業を考える方もいると思います(実際にいます)。しかし、浅はかな知識のままエアコンを取り外すことは危険です。事故や怪我に繋がる場合もあります。
そこで、エアコン取り外し作業のメイン作業であるポンプダウンと強制冷房運転について説明します。少しは参考になると思います。
1.取り外し作業を自分で行うリスクについて
一般家庭用エアコンの取り外し作業は、資格不要なことや、使用する工具の少なさ、作業難易度が低いことから、自分でやろうとする方も少なくないと思います。しかし、ある程度の知識や準備は必要です。素人の方がエアコンを取り外す際に考えられるリスクをいくつか考えました。
- 適切に取り外せず、エアコンを壊してしまう(再取り付けの時に修理が必要)。
- エアコンの落下等による事故や怪我。
著者としては素人の取り外し作業は推奨しておりません。行うのであれば必ず自己責任で行いましょう。
2.ポンプダウンとは
さて、ここからが本題ですが、ポンプダウンという言葉を知っていますでしょうか?
ポンプダウンとは簡単に言うと、エアコン・配管内の冷媒ガスを室外機に回収する作業のことです。
ポンプダウンの作業を行わずにエアコンを取り外そうとすると、エアコンおよび配管の中に残っている冷媒ガスが大気中に放出されてしまいます。これは環境に悪いだけでなく、作業として危険です(高圧ガスが吹き出す)。そこで、全ての冷媒ガスを室外機に回収・封入する作業が必要になるのです。
引越しなどでエアコンを移設(取り外して、再度取り付け)する際にはポンプダウンできるので、設置時に改めて冷媒ガスを補充することは基本的に必要ありません。もちろん、再取り付けを行わず処分する場合もポンプダウン作業は必要で、最終的に処理施設で冷媒ガスは安全な形で破壊されます。
素人だろうと専門業者だろうとエアコンを取り外す際にはポンプダウンの作業が必要なのです。
3.強制冷房運転について
3.1 強制冷房運転が必要な理由
強制冷房運転とは、文字通り、強制的にエアコンの冷房運転を行うことです。エアコンには温度センサーがあり、冬など寒い時期(リモコン設定最低温度より外気温が低い場合)にはリモコンで冷房運転を行うことができません。
しかし、上記ポンプダウンを行うためには、エアコンを冷房で運転させる必要があるのです。夏など暑い時であればリモコンで冷房運転に切り替えれば簡単に冷房運転を行うことができますが、リモコンで操作できない冬やリモコンが壊れている際には強制的に冷房運転を行う方法があります。
3.2 強制冷房運転の方法
強制冷房の方法はメーカーや製造年で若干異なりますので紹介します。(最近のエアコンは室内機または室外機にその方法が書いてあります)
- panasonic パナソニック
- 室内機応急(自動)運転ボタンを5秒「ピツ」となるまで長押し。
- Toshiba 東芝
- 室内機応急(自動)運転ボタンを10秒「ピツ」となるまで長押し。
- Hitachi 日立
- 室内機応急(自動)運転ボタンを5秒「ピツ」となるまで長押し。
- ひと昔前の機種は室外機基盤のサービススイッチ
- Fujitsu 富士通
- 室内機応急(自動)運転ボタンを5秒「ピツ」となるまで長押し。
- ひと昔の機種はリモコンで冷房運転を行い、リモコンの試運転ボタンを押す。
- 三菱電機
- 室内機応急(自動)運転ボタンを1回押す(2回で暖房、3回で停止)。
- 三菱重工
- 室内機応急(自動)運転ボタンを5秒「ピツ」となるまで長押し。
- ひと昔まえの機種はリモコンの設定を冷房、温度を「連続」にして運転。
- DAIKIN ダイキン
- 室内機応急(自動)運転ボタンを5秒「ピツ」となるまで長押し。
- コロナ
- リモコンの風量ボタンを押しながら運転。
4.まとめ
エアコンの取り外し作業には「ポンプダウン」と「強制冷房運転」の知識が必須なのがお分りいただけたでしょうか。「ポンプダウンのことは知っているけど、強制冷房のことは知らなかった」と言う方も多いのではないでしょうか?
もちろん、上記2つを知っていればエアコンを安全かつ丁寧に取り外せると言う訳ではありません。また、現場状況もそれぞれなので作業のしやすさにも違いが出てくると思いますので、素人の方で自分での作業を考えている方は注意してください。
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