エアコン引越し・移設時の取り付けで配管は再使用できるのか
引越しなどでエアコンを移設する際、「配管はそのまま使えるの?新しいものにしなきゃいけないの?」と疑問に思ってる方も多いと思います。この記事では配管の再使用でのエアコン取り付け工事についてメリットやデメリットを現役職人が解説しますので参考にしてください。
1.配管、再使用で取り付け工事できる?できない
結論から言うと、エアコン移設時に配管を再使用して取り付け作業はできる場合もあればできない場合もある(業者・現場によって変わる)。
配管を再利用して取り付けできればお客様としては新規に配管代を負担することが基本的にないので工事費用も安くなります。しかし、必ずしも再利用できるわけでもないですし、できたとしてもデメリットもあるのでその辺は理解しておかないといけません。
2.配管再使用時に知っておきたいこと
2.1 配管は硬化する
一度設置しエアコンを使用すると、銅製の配管(冷媒配管)は硬化します。
硬化した配管を設置環境の違う場所で再使用する場合、硬化が進んでいると新しい設置場所に合わせて曲げ加工ができなかったり(無理に曲げたら潰れなどが生じる)、綺麗な配管レイアウトを作れず見た目が悪くなったりすることも少なくありません。
硬化していることによって「その配管を再使用してエアコンが取り付けられない」と言うことはほとんどありませんが、「取り付けられても綺麗な仕上げにならない可能性もある」ということはお客様も知っておいた方がいいでしょう。
なお、5.6kw以下のエアコン(一部機種除く)に使われる太さ2分3分の配管は多少硬化しても配管自体が細めなので加工できますが、6.3kw以上(一部5.6kw機種)の機種に使用される2分4分配管は加工(曲げ)がかなり難しくなるので基本的に再使用できないものだと思ってください。2分4分配管を再使用して取り付け工事を行ってくれる業者はかなり限られます。
.2.2 ドレンホースの中は汚いことが多い
「配管を再使用して取り付け」となると、特別な断り等がない限り、冷媒配管だけでなく電線・ドレンホースも再使用して取り付け作業が行われることも少なくないと思います。
ここで注意したいのがドレンホース。冷房使用時に発生する結露水を排出するドレンホースですが、中でカビが繁殖していたりすることもあります。ドレンホースの中までチェックすることは基本的にできませんが、ホースの末端から中を除いて汚れが見えるのであればドレンホースだけでも交換はした方がいいでしょう。
.3 そのまま配管を再接続しない
一度エアコン(室外機)から取り外した配管を再設置のときにそのままの状態でエアコンに接続することはしません。接続部分に新規にフレア加工作業を行い、接続しなくてはガス漏れの原因となります。
フレア加工作業については専門の道具を必要とします。外した配管をそのまま使えると思っているお客様もたまにいますが、ガス漏れリスクを考えるとそんなことはできません。
3.業者の立場としての本音
工事を行う業者としては、エアコン移設時に配管を再使用するよりも新規配管を使う方が、施工も楽(硬化していないから)、綺麗に仕上げられる、配管代分売り上げが上がる、ので新規配管を使って施工したいことに越したことはありません。お客様にとってもメリットがあります。
しかし、そこには「お客様の予算問題」があります。経済的観点から考えれば再使用できる配管であれば再使用した方が配管代がかからずお客様にとっては総工事費用が安く済みます。実際に「少しでも安く作業してほしい」お客様の方が圧倒的に多いのです。だから、エアコン工事業界的には「ほんとは新規配管で施工したいけど、安くするなら配管再使用で」という判断をせざるを得ないことも多いです。現に当店でもエアコン移設時には配管再使用での取り付け作業を前提にお見積もりさせていただいてます(諸条件あり)。
4.配管交換費用でしか稼げない業者もいる
中には、お客様のメリットデメリット関係なく、新規配管での作業をゴリ押ししてくる業者もいます。
業界の裏のお話ですが、引越し会社などの下請けで仕事しているエアコン工事業者がもらえるお金はかなり少なく、新規配管に交換することで配管代を売り上げ、そこで稼ぎを増やそうとする業者もいます。「引越し会社にエアコン移設代で15000円払ったのに工事当日にエアコン業者に配管代で別途15000円かかると言われた」というような話はよくあります。
なお、本当に作業上の問題や物理的な問題(配管が短い、損傷しているなど)で配管交換を言及している場合もあるので、100%怪しい業者だとは言い切れませんが、配管代で稼ごうとする業者がいることは知っておいても損はないかと思います。
5.まとめ
エアコン移設時に配管を再使用しての取り付け作業は、できる場合もあればできない場合もあります(業者判断・現場状況によって変わる)。
配管再使用で取り付け作業ができれば配管代がかからず安く工事できるメリットはありますが、一方で綺麗な仕上がりにならないこともあるなどのデメリットもあることは知っておいてください。
もし、エアコン移設工事のときに業者に配管交換を言及されたらその理由はちゃんと聞いておきましょう。工事前の見積もり時にも配管交換が必要か不要か、またその時の差額等も確認しておくと安心して工事当日を迎えられると思います。
当店、ACシステムは埼玉、東京エリアで不動産オーナー、一般のお客様よりエアコン工事をお受けしています。「事前により正確な見積もりが欲しい」「エアコンのことも工事のこともよくわからないけどエアコン工事が必要」などと困っている方、、WEBやLINEからご相談ください。問い合わせはこちらから
エアコン移設時は基本的に配管再使用を前提とし、交換が必要な場合(ほとんどは長さ不足時)にはご説明させていただきます。また、配管交換が必要になっても高額にならない料金設定(2分3分配管、他社の半額程度)にも努めています。